医師確保「考え直す機会」 知事会で仁坂氏
仁坂吉伸和歌山県知事は10日、全国知事会議に県庁からウェブ参加し、医師の養成数を削減する政府方針について、「コロナでこれだけ(医療体制が)大変、ワクチンを打つのに大変というときに、いけしゃあしゃあと続けるのはおやめになった方がいい」と苦言を呈した。
この日の会議の議題の一つ、「新型コロナを踏まえた持続可能な医療の確立に向けた提言」の案に関連して発言した。
仁坂知事は、コロナ禍により医療体制の逼迫(ひっぱく)が生じた後も、政府が将来の需要減を見越して全体の養成数を減らす方針を維持していることを受け、「(医師確保の問題は)養成数によって解決できるはずがない」と指摘。
県立医大の定員に地域枠を設定していることを例に、国全体で医療機関への実際の就職まで促す政策をとる必要があるとし、「どうすれば一番いいのか、立ち止まって考え直すいい機会ではないか」と述べた。
また、新型コロナワクチンの接種について、先行した和歌山県が配分の前倒しを政府に要望し、実現したことにふれ、「多くの先行都道府県で同じようなことが起こってくると思う。フレキシブル(柔軟)にワクチンの供給の対応をするようお願いしたい」と要望した。