すさみ町にホテルが開業 道の駅を拠点に

世界最大のホテルチェーン、アメリカのマリオット・インターナショナルと積水ハウスが共同で展開する地方創生事業「トリップベース道の駅プロジェクト」の一環で、和歌山県すさみ町に9日、「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山すさみ」がオープンした。日本各地の道の駅の隣にホテル開業を進めており、すさみは国内13カ所目。道の駅を拠点にした新たな観光を提案しており、地域経済の活性化が期待されている。

道の駅プロジェクトはマリオットと積水ハウスが2018年から展開する新たな観光スタイルを通じて地域を元気にする事業。「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、地域や自治体、パートナー企業とともに道の駅を観光の拠点にした、「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅の提案」を通じて地方創生の一助となることを目指している。

県内では4月に開業した串本に次いで2カ所目、三重県でも2カ所オープンしており、この4カ所を拠点に周辺地域を巡ってもらい、その土地でしか味わえない食や観光資源、魅力をじっくり体感してもらうことで地域経済の活性化につなげる取り組みだ。

すさみを含めてこれまで全国で13カ所、989室を開業しており、2025年までに25道府県で3000室規模への拡大を目指している。

ホテルの特長は、すべて道の駅に隣接し、宿泊のみに特化していること。ホテルで食事の提供はせず、道の駅をはじめとしたその地域の店で、ならではの料理を堪能してもらうのが狙いだ。

マリオット和歌山すさみも、エビとカニの水族館がある「道の駅すさみ」に隣接し、目の前に海が広がる最高のロケーション。部屋数は90室あり、同プロジェクトのホテルでは唯一の温浴施設「望海(のぞみ)のゆ」を併設している。

地元の食を堪能してもらおうと、道の駅すさみで「すさみ夜市」もこの日に合わせて新たにオープンした。新鮮な海産物や農産物、すさみ名物イノブタを使った料理などを楽しめる。

ホテル前で行われたオープニングセレモニーで、積水ハウスの石井徹取締役専務執行役員は「通過点、休憩地点だった道の駅に宿泊施設を設けることで、宿泊の選択肢がなかった地域に新しいお客さま、新しい消費を生み出すことができる。地域を渡り歩く拠点にし、豊かな時間を楽しんで地域の魅力を探求してほしい」とあいさつ。マリオット・インターナショナル日本&グアム担当エリアヴァイスプレジデントのカール・ハドソンさんも「おもてなしと心のこもった施設で、日本を旅する人たちに快適な滞在を提供してくれる『第二の我が家』になることを確信している」と期待。リボンにはさみを入れて開業を祝った。

セレモニーには道の駅すさみと「望海のゆ」を運営する㈱信濃路の西平都紀子社長、岩田勉すさみ町長も出席した。

 

新たにオープンしたフェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山すさみ

 

リボンカットでオープンを祝う関係者