現市民会館で最後の開催 わかやまパリ祭

シャンソンの祭典「わかやまパリ祭~ロビーでうた祭り~」が16日、和歌山市民会館(伝法橋南ノ丁)で開かれ、約60人がパリのまちかどにいるような楽しいひとときを過ごした。

同市や和歌山シャンソン友の会などが主催。7月14日のフランス革命記念日にちなんで1998年から毎年催し、今回で24回目。同館は初回から20年以上にわたって会場となったが、秋に和歌山城ホールとして生まれ変わることから、同所での開催は今回が最後。ホールではなく、ロビーコンサート形式で開いた。

大ホール前で2部構成のプログラムで行われ、「サントワマミー」「いつ帰ってくるの」「鏡の中のつばめ」など、16人が情感たっぷりに歌唱。中には、結婚50年の節目に夫への感謝を込めて「愛をありがとう」を歌う出演者もいた。

大阪府岬町から訪れた女性(76)は「シャンソンは人生の哀歓。毎年楽しみで、心の癒やしになります」と笑顔だった。

パリ祭ではこれまで、深緑夏代やペギー葉山、築地容子、鳳蘭など、シャンソン界の大御所をゲストに迎え、地元歌手と共に趣向を凝らしたステージを届けてきた。実行委員長を務めてきた清水香予子さんは、市民会館にはたくさんの思い出があるといい「名残惜しいですね。ここで泣いたり笑ったり。汗と涙がしみついたような場所です。そうそうたる皆さんとステージに立たせていただいた経験は、大きな財産になりました」と話していた。

会場には過去のパリ祭のポスターが展示され、訪れた人はこれまでの歩みを懐かしそうに振り返っていた。

美しい歌声を響かせる出演者

美しい歌声を響かせる出演者