継投や攻撃光った智弁 決勝戦を振り返り

第103回全国高校野球選手権和歌山大会は27日に紀三井寺公園野球場で決勝があり、智弁和歌山が4―1で市和歌山を破り、優勝を果たした。決勝の展開を振り返る。

試合は智弁・伊藤、市和歌山・小園の両先発で始まった。市和歌山の半田真一監督は試合後、伊藤の先発について「頭にはあった。今大会良い投球をしていた。あぁ伊藤君かという感じだった」と振り返った。

伊藤は武器のチェンジアップを効果的に使い、好投を見せる。2回は無死1、3塁のピンチを背負ったが、「粘り強さが自分の強み」と落ち着いて後続を併殺打と三振に仕留めピンチを切り抜けた。プロ注目右腕の小園も走者を出すものの得点は許さず、6回表まで両チーム無得点が続く。

試合が動いたのは6回裏。智弁が2死満塁の好機をつくり、7番・嶋の適時打で1点を先制し、ついに均衡が破れた。市和歌山もすぐさま反撃。7回表、先頭の平林が安打で出ると、1死2塁から田中が三塁線を破る適時2塁打を放ち、同点に。半田監督は「よく粘って追い付いてくれた」と話した。試合は振り出しに戻ったが、智弁打線が小園を捉える。7回に4安打を集めて2点を挙げると、8回にも1点を加え、優勝を大きく引き寄せた。7回表無死1塁の場面で登板したエース・中西は最後まで相手に得点を許さず、試合を締めた。

智弁の宮坂厚希主将は「強敵の市和歌山を相手に挑戦者の気持ちで挑んだ」と振り返り、市和歌山の半田監督は「追い付いた後、勝ち越しの1点が取れず、守備のミスも出てしまった。選手たちは智弁さん相手に気持ちは負けていなかったと思う。よくやったと思う」と話した。

 

得点し盛り上がる智弁のベンチ