感染急増に危機感 経路は県外持込みが最多
和歌山県内の新型コロナウイルスの感染状況は、接触者を除く新規陽性者が27日は11人、28日は12人と続けて10人を上回り、第5波の拡大傾向が顕著となっている。28日、県庁で記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は「まだまだ感染者が増える可能性があり、強い危機感を持って対応していく」と述べ、県民に感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
感染状況の指標の一つ、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、28日時点で県全体が10・5人、和歌山市が13・8人。爆発的な感染拡大の目安25人に対し、東京都は27日時点で88・6人、大阪府は36・3人と大きく上回っており、これまで大阪府の感染動向に大きく影響されてきた県内でも、急速な感染者の増加が懸念されている。
7月1~27日の県内感染者の感染経路の分析では、不明を除く121人のうち「県外」が46人(38%)で最も多く、その中では大阪府が78%を占めている。次いで「家族」が33人(27%)、「職場・学校」が25人(21%)などで続く。
推定される感染機会は、「共同生活」が36人(30%)で最も多く、「会話」が34人(28%)、「飲食」が23人(19%)などとなっている。
デルタ株(インド型)の感染者も増えている。6月20日~7月27日の県のスクリーニング検査で、25人のデルタ株疑いが出ており、うち4人は国立感染症研究所のゲノム解析でデルタ株と確定し、残りは解析待ち。野㞍技監は、県内の感染者もデルタ株への置き換わりが進むとみており、従来株や第4波で猛威を振るったアルファ株(イギリス型)より強いとされる感染力を警戒している。
また、ワクチンの接種が進む中、2回接種済みで感染した人が県内でも5人確認されており、接種後もマスク着用などの予防対策の継続が求められる。