第4波上回る恐れ 急激な感染拡大に警戒を
和歌山県は2日、県内で中学生から70代の40人が新型コロナウイルスに感染し、月曜日の陽性者数として過去最多となったと発表した。県庁で記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は「第5波は感染者が急激な立ち上がりとなっており、おそらく第4波を超えるだろう」との見解を示し、一人ひとりが感染対策を徹底し、拡大防止を図ることを呼び掛けた。
40人の保健所管内別内訳は、和歌山市19人、岩出3人、橋本5人、湯浅4人、御坊1人、新宮6人、県外2人。うち7人は和歌山市鳴神の食肉加工業、ロイヤルフード協業組合の管理部門の従業員で、合わせて11人の感染となり、県は同部門を64例目のクラスター(感染者集団)に認定した。発症した後に出勤していた従業員が複数おり、感染が拡大したとみられている。
発表済みの新宮市のスナックのクラスターでは、利用客3人の陽性が新たに分かり、感染者は25人となった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で25・0人、保健所管内別では和歌山市が29・2人、新宮が60・9人で、爆発的な感染(ステージ4)の目安25人を上回った。
県内の感染者は累計3044人、入院中の患者は236人(うち重症者13人)、病床は440床まで増やし、使用率は53・6%。変異株スクリーニングによる陽性者は1083人で、うちデルタ株(インド型)が59人(8人はゲノム解析で確定)となった。
野?技監は、感染力が強いとされるデルタ株への置き換わりが進みつつあることや、感染者の増加とともに重症化する人も増えていることを踏まえ、「周囲の健康も考えて、コロナを決して侮らないようにしてもらいたい。ワクチンの接種を終えても対策を緩めないようお願いしたい」と話した。