過去最多67人が感染 県が再び外出自粛要請
和歌山県は17日、新たに県内で乳児から70代の男女67人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。一日の感染者数は、4月20日の55人を上回り過去最多。直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も県全体で33・8と、4月23日の30・3を超えて過去最多となった。仁坂吉伸知事は県民に対して、4月以来3回目となる不要不急の外出自粛を要請。「ワクチン効果もそこまで来ているので、感染が収まってくるまで協力していただきたい」と呼び掛けた。
67人の保健所管内別内訳は、和歌山市24人、海南2人、岩出9人、橋本4人、湯浅4人、御坊9人、田辺6人、新宮5人、県外4人。和歌山市で20人を超えるのは110日ぶり。県内の感染者は累計3584人、入院中の患者は296人(うち重症者11人)。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、第5波の特徴として、若い人の感染が増え、妊婦の感染も増加していることに言及。第5波では、すでに9人の妊婦の感染が確認されているとし、注意を呼び掛けた。
変異株スクリーニング検査による陽性者は累計1623人で、うちデルタ株(インド型)は381人(8人はゲノム解析で確定)となり、野㞍技監は「デルタ株への置き換わりが8~9割進みつつある」と説明した。
この日の感染者のうち、家族内感染は27人、帰省関係が13人と多いことから、仁坂知事は大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、三重県の他、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置区域への不要不急の外出以外にも、帰省の自粛や在宅勤務(テレワーク)の活用、クラブ活動での県外の学校との練習試合等の禁止などを呼び掛けた。
県外への旅行をはじめ、県民を対象に県内旅行の最大半額を補助する「リフレッシュプラン」事業についても、新規予約を控え、予約済みの旅行はできる限り延期するよう協力を求めた。
県はこの日、病床数を500床から515床に増床。仁坂知事は「感染者数が増えていくと、いつか病床数が苦しくなっていく」と危惧し、「重症化リスクがなくなった人のホテル療養など、出口としてのセカンドベストやサードベストも考えなければならない」としながらも、「全員の命を助けるため、『全員入院』というファーストベストでいける限りはいきたい」と従来の方針を堅持する考えを示し、「感染者数が収まってくるまで当面の間は県民の協力が必要」と呼び掛けた。