40年のありがとう 和歌山マクドナルド物語
全ての経験が人生の財産
鹿児島県出身。和歌山にマクドナルド1号店が誕生した年と同じ1981年、福岡県で日本マクドナルド㈱に就職した。福岡大学で経済学を学び、金融機関を志して就職活動中、当時まだ普及していなかった外食産業に興味を持ち、同社の面接を受けた。年功序列でなく「あなた次第」と話す人事担当者は、生き生きとしていて、憧れの存在に映った。面接時、「実力次第で社長になれますか?」との質問に、「もちろん。あなた次第でなれます」との回答を聞き、就職を決めた。
以来、マクドナルドと共に過ごした40年間を振り返ると、良いことばかりが思い出され、「マクドナルドで良かった」の一言に尽きる。いろんなことを学び、多くの人間関係を経験できたのは、「ピープルビジネス」を掲げるマクドナルドがくれた人生の財産だ。
人が全てであり、人を介してビジネスを成長させていく「ピープルビジネス」の考え方は、自身の子育てにも大きな影響を与えた。「できなくて当たり前。できたら褒めるだけ」を大原則にすると、子どもは成長する。クルー(従業員)の成長も同じだから、叱ったことは一度もない。「いいところを探さないと誰もハッピーになれない」、これもピープルビジネスから学んだこと。
異動が多く、5回以上引越しを余儀なくされたが、長男が小学4年生の時、将来の夢について「マクドの店長」と書いたのを見て、忘れられないぐらいうれしかった。周りの人が「そうなりたい」と思う人でなければビジネスは成長しない。
独立して20年、和歌山に来て10年。初めてのアルバイト先に選んでくれる学生が多く、就職や進学などで卒店する春には、年に1度の大イベント「卒店式」を開き、盛大に送り出す。「マクドでバイトして良かった」と思えるような人生経験を積んでもらいたいとの願いを込めて。地域に愛される店づくりを永遠のゴールに、次の10年も成長し続けていきたい。
プロフィル
田中秀徳(62)
【運営店舗】24号川辺店▽24号岩出店▽貴志川オークワ店▽24号粉河店▽高野口オークワ店▽林間田園都市店