お家で多文化学ぶ 国際交流センターがぬりえ

外出を控える人が多いコロナ禍で、子どもから大人までみんなが自宅で楽しみながら多文化にふれられる機会をつくろうと、和歌山県国際交流センターは「オリジナルぬりえ」を作り、和歌山ビッグ愛(和歌山市手平)8階にある同センターで無料配布している。

同センターを運営する県国際交流協会は、「オリジナルぬりえ」を制作するにあたり、子育て中の父親たちのサークル「パパチカ」に協力を依頼。同サークルは毎年、和歌山の歴史や文化に親しめる「わかやまのぬりえ」を作成しており、ぬりえ作りのポイントなどをアドバイスした他、イラストも同サークルの藤田征宏さんが手掛けた。

「オリジナルぬりえ」は全部で4種類。現在は「伝統的な婚礼衣装」「長年愛されるスイーツ」の2種類が完成しており、残りの2種類は11月と2月ごろに完成する予定。

同協会の主任書記の松尾千夏さんをはじめ、同センターで外国人生活相談員を務める中国出身の中尾静さん、フィリピン出身の鬼塚ジョアンさん、ベトナム出身のグエン・ティ・トゥイ・ニューさんが同サークルと共にテーマを考え、日本を含め4カ国それぞれの文化を一枚のぬりえに収めた。

各テーマに沿って写真などの素材を集め、子どもが好きそうなデザインをピックアップしていったといい、松尾さんは「ぬりえを通してアジアはやっぱり似た文化が多いことに気付いた」と話す。

「漢服」と呼ばれ、赤い婚礼衣装に金色の髪飾りが目を引く中国の伝統的な婚礼衣装も描かれており、中尾さんは「日本の子どもたちだったらどんな色に塗るのか楽しみ」とにっこり。

ナタデココや小豆、紅芋などをパフェのように盛り付けたフィリピンのスイーツ「ハロハロ」について、鬼塚さんは「コロナが落ち着いてからイベントで実際に食べてもらえる機会があれば」と話し、グエンさんも「イベントができるようになったらもっと詳しく文化を紹介したい」と意気込む。

同センターでは「ぬりえコンテスト」も実施しており、優秀賞には賞状や景品が贈られる。松尾さんは「ぬりえが一つのきっかけとなり、子どもたちが海外に興味を持ったり、キッズコーナーに遊びに来たりとセンターに集まってもらえれば」と期待を込める。

ぬりえは同センターやパパチカのホームページからもダウンロードできる。「ぬりえコンテスト」の対象は、県内在住または通学している小学6年生までの子ども。ぬりえの裏面に子どもの名前、保護者の連絡先、子どもの感想を記入し、同センターに持参もしくはメール(matsuo@wixas.or.jp)に撮影したぬりえの写真を添付して送る。締め切りは来年2月28日。受賞者の発表は来年3月を予定。

問い合わせは同センター(℡073・435・5240)。

「オリジナルぬりえ」を手に笑顔の皆さん

「オリジナルぬりえ」を手に笑顔の皆さん