監督ら舞台あいさつ 「紀州騎士」県内上映

「紀の国わかやま文化祭2021」の一環で、和歌山県内で撮影された映画「心を救え 紀州騎士 きしゅうでないとぉ!」の上映会と舞台あいさつが、11日、海南ノビノス(海南市日方)であり、脚本・監督を手掛けた中野広之さんと、すさみ町出身で主演を務めた七海薫子さんが登壇した。

同作品は市民団体「魅力発見!海南を撮りたい会」が製作。10月30日から県内5カ所の会場で上映されている。

七海さんが、特定の場面だけ話せなくなってしまう「場面緘黙(かんもく)症」という自身の体験を元に原案を書いた。七海さんは「小学生の頃、同級生にいじめられて自信がなくなり話せなくなってしまった」、「タイムスリップして子どもの頃に会いに行くシーンでは、その頃の私に『大丈夫だよ』と言いたかった」と思い返す。

串本町での上映ではニートや引きこもりの経験がある人が来場し「感動した」「生きづらさを感じていたが映画を見て励みになった」と言ってくれてうれしかったと振り返った。

映画の舞台は湯浅町のしょうゆ屋。七海さん演じる新聞記者のさやかを主人公に、若者たちが生きがいのある仕事を探すため、迷いながらも真っすぐに生きていこうとする物語。

中野監督は「さまざまな原因があり、いろんな助けをもらって成長していくストーリー。プロの役者は4人だけ。残りの約70人の演者は素人ばかりだが、一生懸命やる姿は伝わったのではないか」、「いじめっ子と向き合う心の闘いを表現することが難しかった」と話した。学校や不登校の子を持つ親からも上映依頼があるといい「作品をもっと広めていけたら」と話した。

17日に海南ノビノス、18日は天野地域交流センター「ゆずり葉」(かつらぎ町)で鑑賞できる。いずれも午後6時から。

17日は原田龍二さんと七海さんが舞台あいさつを行う。料金は1000円。チケット購入や問い合わせは同会(℡090・1464・1124)。

舞台あいさつする中野監督㊧と七海さん㊥

舞台あいさつする中野監督㊧と七海さん㊥