IR問う住民投票を 市民の会が2万筆署名提出

県が和歌山マリーナシティ(和歌山市毛見)に誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)について、市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」は9日、誘致の賛否を問う住民投票条例の制定を求める署名2万833筆を市に提出した。

有効署名数の確認などの手続きを経て受理されると、市長が20日以内に市議会を招集し、同会が作成した条例案が可決されれば住民投票が行われる。

弁護士や主婦ら14人が請求代表者となり、11月6日~12月5日に署名集めを実施。地方自治法により署名の受理に必要とされる有権者の50分の1以上(約6200人)の3倍超、同会が目標に掲げていた2万票を上回る署名が集まり、和歌山市で初めてとなる直接請求が行われた。

今後は、市選挙管理委員会が20日以内に有効署名数の確認を行い、1週間の縦覧期間を経て署名を返却し、同会が改めて尾花正啓市長に提出する。市長は自身の意見を付けて条例案を上程することになり、来年1月にも条例案を審議する臨時市議会が召集される見通し。

9日午後、同会会員ら約30人が市役所前に集まり、署名簿と横断幕を持って市選管へと行進。共同代表の木村友美さんが市選管の東田充生事務局長に署名を提出した。

提出後、会員らは市役所で記者会見を行い、共同代表で弁護士の豊田泰史さんは「まちにとってIR誘致が良いことなのか、住民の声を聞いてほしい。市議には住民の熱い思いを軽々しく扱ってもらいたくない。見識が問われる」と話し、市議会での慎重な審議を求めた。

 

住民投票条例の制定を求める署名の提出に向かう市民の会会員ら