「うそ」に替え幸せな年に 和歌浦天満宮で神事

ことしあった悪い事を「うそ」に替え、良い年を迎えようと願いを込めた鷽替(うそかえ)神事が25日、和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮で行われた。

菅原道真が蜂に襲われた際、鷽鳥(うそどり)の大群が救ったという言い伝えにちなみ、天満宮では悪いことを「うそ(鷽)」に「取り(鳥)」替える鷽替神事が行われている。

終天神(しまいてんじん)にあたる同日、同天満宮の本殿で神事が行われ、小板政規禰宜(49)や巫女(みこ)らが「替えましょう」、「替えましょう」と声を掛けながら、紙製の鷽鳥を交換し合った。

交換した鷽鳥は、小板禰宜が新型コロナウイルス感染症や同市六十谷の水管橋崩落に伴い発生した断水などことしの「あまり良くない」ニュースを掲載した古新聞を使用し制作。1月1日から拝殿前に設置し、参拝客を出迎える。

神事に参列した同市のフリーアナウンサーの宇和千夏さん(59)は「本当にいろいろあった年。うそにしてみんなが幸せになってほしい」と話していた。

この日は、地元和歌浦小学校の児童らが書いた128枚の小絵馬も奉納され「マスクをはずしてみんなでワイワイできますように」や「早く終わって祭りや旅行がしたい」と新型コロナウイルス感染症収束に向け、願いを込めた。

同天満宮では31日に鷽鳥をモチーフにしたお守りなどを分別するおたき上げ用のドラム缶を境内に設置。1月1~3日は、境内の手水舎に花を浮かべる「花手水」を行う予定で、周りには小板禰宜が手作りした、「新型コロナもういいわ(118)」に掛けた木製の鷽鳥118体を並べるという。

紙製の鷽鳥を交換する小板禰宜㊨と巫女

紙製の鷽鳥を交換する小板禰宜㊨と巫女

 

木製の小さな鷽鳥が並んだ花手水

木製の小さな鷽鳥が並んだ花手水