天守閣で迎える元旦 2年ぶり無料開放にぎわう
和歌山市の和歌山城で1日、2年ぶりとなる元旦の天守閣無料開放が午前6時から9時まで行われた。明け方は雲が多く、日の出の7時5分にはご来光を見ることはできなかったが、市のシンボルである城から、多くの市民らが明るくなっていく新春の空を見上げた。
無料開放の時間帯に訪れたのは1994人(大人1633人、子ども361人)で、コロナ禍以前に比べると少なかったものの、夜明け前から天守閣前広場には人が集まった。
尾花正啓市長らが出迎え、先着1000人には「令和四年壬寅(みずのえとら)元旦 和歌山城」の文字と徳川家の三葉葵の紋が記された恒例のかわらけ(杯)をプレゼント。午前6時の開始から約20分で配布は終了した。
朝の最低気温は4・1度で平年よりは暖かかったが、時折雪も舞い、広場の「お天守茶屋」では熱い甘酒と生姜湯が人気を集めた。
混雑のため、天守閣3階の展望フロアでは入場制限が行われ、来場者の多くは広場へ。雲の間から太陽がようやく顔をのぞかせたのは8時ごろで、見られなかった人も多かったが、家族や友人らと過ごす新年の時間を楽しんでいた。
高校時代の友人と訪れた大阪市立大学2回生の小細陽平さん(20)=和歌山市=は「日の出が見えなかったのは残念だが、新年から友だちと集まれて良かった。コロナでできなかったことにチャレンジする一年にしたい」と笑顔で話していた。