水素エネルギー利活用推進 県が出前授業
和歌山県は13日、水素社会の実現に向けた出前授業を三井住友信託銀行和歌山支店(和歌山市東蔵前丁)で開き、参加した約25人の職員らに水素エネルギー利用の意義や、県内における活用状況などを伝えた。
県では、水素社会の実現に向けた「わかやま水素社会推進ビジョン」のもと、水素の普及啓発活動など、事業者や地域住民に向けてさまざまな取り組みを進めており、昨年10月には、県民を対象に初めて水素社会に関する出前授業を開催。
2回目となる今回は、同ビジョンに賛同した同支店が県に依頼して実現したもので、県の産業技術政策課エネルギー政策班の梶本かおり主査が講師となり、営業終了後の支店内で開かれた。
梶本主査は、エネルギーとして利用する際に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素エネルギーを利用する意義や、世界で初めて燃料電池車(FCV)やエネファームを実用化するなど、世界に誇る水素・燃料電池の技術力を持つ日本の経済発展につながる可能性などを紹介。コスト低減が最大の課題として、需要の拡大と安価な供給体制の構築の同時実現が必要と訴えた。
また、トヨタカローラ和歌山によるFCVの「MIRAI」を使った給電のデモンストレーションも実施。参加者らからは、「災害の時にすごく役立つ」「乗り心地もいいし、かっこいい」などの声が上がっていた。
渡辺義之支店長は、「県唯一の信託銀行として、脱炭素社会に向けて職員一人ひとりが〝ジブンゴト〟として捉えられるとても意義のある機会になった」と話し、「今後も地域の環境問題に対して、県や地元の企業などと連携しながら積極的に取り組んでいきたい」と意気込んだ。