外国人観光客誘致へ協定 県とマスターカード
和歌山県は13日、クレジット会社大手のマスターカード(本社=米ニューヨーク州)と、外国人観光客の誘致などに関する連携協定を締結した。同社が国内の地方自治体と協定を結ぶのは初めて。新型コロナウイルス収束後の観光需要や、2025年の大阪・関西万博を契機とするインバウンド需要の回復を見据え、世界に向けたプロモーションの強化などを図る。
同社は1966年に創立。国際基準のセキュリティーや最先端のテクノロジーを備え、世界210を超える国と地域で展開され、加盟店は約8000万あるという。
県とマスターカードが連携するのは、インバウンド誘客に関する取り組み▽国内外観光客の消費拡大に向けた取り組み▽観光コンテンツの共同開発▽中小企業におけるキャッシュレス化の促進・決済業務DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及――の4項目。
観光コンテンツの共同開発では世界遺産の高野山・熊野など、県の持つ観光資源を活用してマスターカード会員を対象に、差別化された体験型特典プログラムを共同で開発し、国内外の旅行客に県の魅力を発信する。
同日、県庁知事室で行われた調印式には、仁坂吉伸知事と同社のチャン・ユンソク日本地区社長、シンガポールからオンラインでアジア・パシフィック社シニア・バイス・プレジデントのリム・コック・キー氏が出席し署名を行った。
仁坂知事は「和歌山は観光で生きており、さまざまな資源を誇りに思っている。その資源をどうやって世界中にアピールしていくかは多くの人の協力が必要。世界的に有力なマスターカードにその役割を果たしてもらえれば大変ありがたい」、チャン氏は「とてもワクワクしている。美しい場所で多くの世界遺産を擁する和歌山県に多くの観光客を誘致できれば。海外からのインバウンドにストレスフリーな決済業務を提供して、素晴らしい体験をしてもらいたい」、リム氏は「魅力的な観光資源や確立された農水業を持ち、さらなる発展性を秘めた和歌山県と協定を結べてうれしく思う。地域コミュニティーとのコラボレーションをさらに加速させていきたい」と笑顔で話した。