県職員が飲食店を見回り 「まん延防止」受け
新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」適用に伴い、和歌山県は8日、営業時間短縮や感染対策の状況を確認するため、県内の飲食店の見回りを始めた。27日まで、昼の部と夜の部に分け、県職員が2人一組で一日400~500店舗を目標に見回りを行う。
県は重点措置の対象となる県内全域の飲食店約9500店舗に対し、現在約3800店舗の認証店には、午後8時または9時までの時短営業と酒類の提供停止、または午後8時までの提供を要請。非認証店には、午後8時までの時短営業と酒類の提供停止を要請している。
国の「まん延防止」の制度では、時短要請などをする場合、県が実施状況を確認することが定められており、この日は、昼は18組、夜は24組の職員らが和歌山市内の飲食店を見回り、営業状況やガイドラインが守られているかを確認した。
同市中之島の洋食店「フジヤ食堂」では、昼に県総合交通政策課の職員2人が、店の入り口に貼ってある「認証店」のステッカーや、時短営業を示すポスターを確認。店内では職員がチェック票を手に、同店代表の中西資子(もとこ)さんにパーテーションの使用や換気方法などのガイドラインの順守徹底と、時短営業の確認などを行った。
同店はディナー営業を2時間短縮し、夜8時まで。終日、酒類の提供を停止している。中西さんによると、正月明けから客数が激減したといい、休業という選択肢もある中で、「『衣食住の一端を担う生活産業』という祖父の経営理念を大切に、生活に密着しているのでお店のあかりを完全に消すわけにはいかない」と営業継続を決めた。中西さんは、「安全を守るため、認証店としてルールを守りながら最大限の感染症対策に取り組みたい」と話した。
県危機管理・消防課の河野眞也課長は飲食店に対し、「ガイドラインを全て守ってもらって、感染を予防する取り組みに協力してもらいたい」と呼び掛け、従わない店に対しては、「指導させていただき、命令、最悪の場合は科料もあり、必要に応じて考えなければならない」と話した。
同日夜には、同市吉田のサウスウエストカフェなどでも見回りを実施した。同店は通常、午後6時半から午前2時までの営業だが、適用期間中は午後8時までに短縮しており、酒類の提供は行っていない。小山よしおオーナーは、「感染拡大を抑えるのが大前提なので、規則に従っていく」と話していた。