予算混乱で陳謝 和歌山市が事業削減し発表
和歌山市の2022年度当初予算案の発表が事業の不透明により延期された問題で、同市は14日、財源確保が見通せなくなった新規の1事業を削減した予算案を示した。市議会全員協議会に出席した尾花正啓市長は「事業の取り下げに至ったことは私の責任であり深くおわび申し上げる。今回は確定していない財源で上げたが、以降、このようなことがないようにしたい」と陳謝した。
市環境部によると、削減された事業は、青岸エネルギーセンターで進めるごみ焼却発電による余剰電力の推進事業。事業費約4億9000万円のうち、約3億円を大手の金融機関がふるさと納税による寄付でまかなう予定だった。しかし、当初発表予定の前日の9日、県外企業から寄付ができなくなった旨の連絡があったという。企業名は、交渉を続けているとして明らかにしなかった。
同部に説明した企業側の話によると、寄付後、事業を請け負う業者の中に自ら関連する会社が入れば疑惑を招く恐れが出てくるため寄付を取りやめたという。同部は、企業との交渉経緯をメールなどで残してはいるものの、寄付という性質から契約書などは取らず、相手方の最終の意思決定も確認しないまま、予算書に盛り込んでいた。同部で寄付を盛り込んだ事業展開は今回が初めてだったという。
新たな予算案は、同日の市議会全員協議会で示され、2月定例市議会に提案される。