コロナ前の7割まで回復 年末年始の観光客

2021年度の年末年始(12月30日~1月3日)に和歌山市や白浜町など県内の主要観光地7カ所を訪れた観光客数は98万9060人で、調査を開始した1991年度以降の最高を記録した19度に比べると7割弱の68・9%にとどまり、コロナ禍の大きな影響は続いているが、20年度との比較では52・1%増と大きく回復した。

調査したのは、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同本宮町、白浜町、那智勝浦町、串本町。

7カ所の合計で、宿泊客は9万6960人(20年度比72・8%増、19年度比7・3%減)、日帰り客は89万2100人(同50・2%増、33・0%減)。新型コロナウイルス・オミクロン株による第6波の急拡大前で、感染状況は落ち着いており、県民の県内旅行費用を補助する「わかやまリフレッシュプラン」や各種イベントの実施に加え、天候にも恵まれたことなどから、帰省客や県外からの観光客も20年度と比べて増加した。

和歌山市は、宿泊客が19年度と同水準の1万4000人(20年度比102・9%増)となり、日帰り客も52万2100人(19年度比14・4%減、20年度比31・8%増)まで回復。和歌山城天守閣で2年ぶりに早朝の無料開放が行われるなど、年末年始のイベント開催などが回復につながったとみられる。

白浜町は、中心となる宿泊客は6万800人(19年度比10・2%減、20年度比63・0%増)まで回復し、日帰り客は1万4400人(20年度比37・1%増)で、19年度比でも2・9%上回った。

那智勝浦町は、昨年リニューアルオープンした宿泊施設の収容量増加などにより、宿泊客は19年度比28・2%増の1万900人となったが、日帰り客は同42・5%減の8万5100人にとどまった。

串本町は宿泊客、日帰り客とも20年度の2倍以上で、総数は19年度比5・7%減の3万7780人まで回復した。

龍神村は総数が19年度比47・5%減、本宮町は同56・2%減で、他地域に比べて回復は小幅にとどまっている。

第6波はピークを超えたものの、依然として一日当たり200~300人程度の新規感染者が出ており、春の行楽シーズンにかけて回復が見込めるかは不透明となっている。