春の訪れ告げる 和歌山城で松の「こも外し」

二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」の5日、和歌山市の和歌山城公園で、約250本の松に巻かれた「こも」を外す作業が行われた。

わらで作られたこもは、少なくとも江戸時代から行われていたといわれる昔ながらの害虫駆除の方法で、こもの中でマツケムシなどを越冬させ、春先にこもごと焼却する。

和歌山城では立冬(昨年は11月7日)にこもを巻き、翌年の啓蟄に外すのが恒例となっている。現代ではこもに入る虫は少なくなっているが、春の風物詩として市民に親しまれている。

この日は午前9時半から市和歌山城整備企画課の職員6人が作業に当たり、一の橋付近の松一本一本から、こもを外した。中には、カメムシやダンゴムシなどが入ったこもも見られた。

同課の史跡整備班の大城康弘班長は、「今後城内の至る所で春の訪れを感じられるようになるので、感染症対策を心掛けていただいた上で、たくさんの方々に足を運んでもらえれば」と呼び掛けている。

こもを外す職員たち

こもを外す職員たち