育てたハクサイ漬物に 和大付属児童販売

和歌山大学付属小学校(和歌山市吹上)の3年A組の児童ら30人が10日、苗から大切に育てた無農薬のハクサイの漬物を「愛菜(あいさい)てまりっこしかごなかのしま店」(同市有本)の店頭で販売した。

この日のために作ったオリジナルデザインのエプロンを着けた児童らは店頭に立ち、「無農薬です!」「安心して食べられます!」と元気に呼び掛け、足を止めた客らが列をなし、漬物は30分ほどで完売。加藤亜琉(あるる)さん(9)は、「すぐ売り切れてびっくりした」と喜び、笑顔がはじけた。

同校では1年生から野菜作りをしており、担任の田中伸一教諭が「6次産業化を体験させたい」という思いから、出水地区で農家を営む太田好美さんやJAらに協力を依頼。児童らは太田さんの畑で見た野菜のきれいさに感動し、「太田さんにおいしいと言ってもらえるハクサイを作ろう」と白菜作りに取り組んできた。

みんなが安心・安全にハクサイを食べられるよう無農薬にこだわり、虫に食べられないようさまざまな工夫を凝らしながら大切に育ててきた。無事に収穫したハクサイをより多くの人たちに食べてもらうため、長持ちする漬物にして販売することを決めた。

当日は「塩づけ」「味つけ」の2種類の漬物を各100個ずつ用意。一つ100円で販売され、購入者には「3A白菜の良さ」など、児童らの思いが詰まった冊子も配布された。

木戸ゆき子さん(9)は、「大切に育ててきたハクサイの良さを知ってもらえてうれしい」と話し、田中教諭は「1年を通して栽培から加工、販売まで経験したことで、食や農産物を身近に感じ、プロのすごさを実感できたはず」と振り返った。

応援に駆け付けた太田さんも「子どもたちが野菜作りに興味を持ってくれて、生き生きした顔をしているのがすごくうれしい」と笑顔。「この取り組みを通して、農家という自身の仕事について、『いい仕事してるんやな』と見つめ直すきっかけになった」と目を細めた。

育てたハクサイの魅力を伝える児童たち

育てたハクサイの魅力を伝える児童たち