和商ブラバン友情応援 選手と気持ち同じ
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で禁止されていたアルプススタンドでの生演奏が、今大会3年ぶりに復活した。和歌山東のアルプスには、和歌山商業の吹奏楽部員やOBら約30人が〝友情″応援に駆け付け、迫力ある演奏を披露。グラウンドで白球を追う選手を鼓舞した。
アルプスの生演奏にはトランペットやユーフォニアム、サックスなどの楽器を持ち込んだ。和商のメンバーは、和歌山東のカラーであるそろいの「青」のジャンパーを着用。和歌山東の攻撃ごとにアルプスの声援を活気づけるにぎやかな音色を響かせた。
吹奏楽部長の永浜颯太さん(新3年)は「学校は違っても勝ちたい気持ちは選手と同じくらい強い。その気持ちで応援しました」ときっぱり。
応援の要請は1月にあり、2、3週間前から本格練習を始めた。テレビドラマ「あまちゃん」のテーマ曲や「サウスポー」など、全8曲をほぼ毎日5時間かけて練習して本番に臨んだという。OB一団代表の日野幸治さん(33)は「不安でしたが、何とかうまくやれました」とほっとしていた。
「普段より緊張して投げているけど、一誠ならやってくれる」と話したのは麻田投手の母・梨恵さん(37)。けがに苦しんだ息子が電話で弱音を吐いたときには、「自分で決めたんやろ」と喝を入れたこともあったという。
麻田投手には小学1年の弟と4歳の双子の妹がいる。麻田投手とはテレビ電話でしか連絡が取れないため、弟たちは普段から寂しい思いをしているという。
「なかなか会えないお兄ちゃんの姿を目に焼き付けてほしい」と梨恵さん。終盤に向けては「頼もしい守備のおかげで一誠は安心して投げられる。みんなに感謝しながら投げ切ってほしい」と声援を送った。