点字ブロック啓発 JRで盲学校生徒の声放送

「点字ブロックの日」とされる18日、和歌山盲学校(和歌山市府中)とJR西日本和歌山支社は共同で、初の試みとなる点字ブロックの啓発キャンペーンを実施した。

「点字ブロックの日」は1967年3月18日に世界で初めて点字ブロックが岡山県に誕生したことから制定された。同校では例年、この日に育友会が中心となり、同駅前でポケットティッシュを配るなどの啓発活動を行ってきたが、コロナ禍で実施できない状況が続いている。そこで生徒会で何かできる活動はないかと考えていたところ、他府県で駅のアナウンスを活用した同様の取り組みを知り、同社に協力を依頼した。

同校の生徒ら15人が、駅の利用者らに点字ブロックの大切さを伝えようと、文章を考えて録音したアナウンスが午前8時から午後8時までの間、きのくに線(宮前駅~新宮駅間)、和歌山線(田井ノ瀬駅~橋本駅間)で放送されている。31日まで。

初日の18日は一日限定で和歌山駅、紀伊駅、和泉砂川駅の3駅でも放送され、和歌山駅の中央改札付近では同校小学部の児童ら2人と、理療専門部の生徒ら2人が「3月18日点字ブロックの日」と書かれた紙を掲げながら啓発活動を行った。

ホームでは、「点字ブロックは視覚に障害のある僕たち私たちの道しるべ! 点字ブロックの上に立たないで! 物を置かないで! ご協力よろしくお願いします」と放送を通して訴える生徒らの声が響いた。

同校の堂本淳也校長は「今回の活動を快諾していただき本当にありがたい。今後も協力しながらできることをいろいろしていきたい」と話した。

参加した理療専門部の理療科2年の居稔也(としや)さん(29)は、「荷物を置いたり立ち止まったりしないなど、もう一度いろんな人に気付いてもらえれば僕たちも過ごしやすくなる」と話し、「視覚障害者にとって点字ブロックがどんなに大切かを知ってもらういい機会になれば」と願っていた。

点字ブロックの大切さを訴える生徒たち