柔らかな筆致で 土井さん神社の絵画展
和歌山県内の神社を題材にした和歌山市の洋画家・土井久幸さん(45)の絵画展「祈り」が24日まで、同市伊太祈曽の伊太祁曽神社の社務所2階常盤殿で開かれている。同神社での絵画展は初。
土井さんは、2006年からフランスをモチーフにしたクレパス画を発表。鑑賞者との感性の共有を目指す「情景画」という独自の表現方法で作品を生み出してきた。20年以降は、神社に焦点を当てた創作活動を始め、「祈り」をテーマに神主やみこなどの人物を通して自然な姿を描き続けている。取材した県内の神社は370社。祭りや神事にもできるだけ参加するという土井さんは「日本の美しさを再認識した」と笑顔。
今展では、同社や同市の玉津島神社、竈山神社など、県内の神社をモチーフにした3号から100号までのクレパス画や鉛筆画の作品50点が並ぶ。
神事を執り行う神主や神楽を舞うみこ、青々とした木々から柔らかな木漏れ日が差す境内を描いた作品からは、神秘的で荘厳な神社の雰囲気が伝わってくる。
作品を見た和歌山市の小林洋子さん(72)は「爽やかな空気感が体にしみ込んでくる感じ。いつまでも見ていたい」と話していた。
土井さんは「神社は神様を祭る所。絵から、なぜここに社があるのかを感じてもらい、興味を持つきっかけにしてもらえれば」と呼び掛けている。
午前9時から午後5時まで。問い合わせは神社仏閣を描く実行委員会事務局(℡073・460・5521)。