公立夜間中学を 設置求め市民団体が発足
和歌山県内での公立夜間中学校の設置を求める市民団体「和歌山の夜間中学校をつくり育てる会」(山口裕市会長)がこのほど発足し、和歌山信愛大学(和歌山市住吉町)で設立総会が開かれた。
全国の公立夜間中学校を巡っては、2017年に施行された「教育機会確保法」などを背景に、文部科学省が少なくとも各都道府県に1校設置の意向を示し、現在15都道府県に40校が設置されている。
また昨年1月、菅義偉首相(当時)が「今後5年間で全都道府県と政令市に少なくても1校の設置を目指す」と表明するなど、各地で公立夜間中学新設の動きが出ているが、県内には1校もない現状。
そこで20年1月、学びを大切にする公立夜間中学校の重要性を伝えようと、夜間中学を追ったドキュメンタリー映画『こんばんはⅡ』(森康行監督)in和歌山上映実行委員会を立ち上げ、昨年には和歌山市、橋本市、田辺市の3会場で同作を上映した。
同実行委員会でも委員長を務める山口会長は今春、県教委や和歌山市教委を訪ね、公立夜間中学校設置について進捗(しんちょく)を尋ねたところ、具体的に進んでいないことなどが判明。「後押しする力が必要」との思いから、同団体を発足したといい、「公立夜間中学校をつくるだけでなく、応援していかないと」と決意を新たにした。
同団体は今後、署名を集め、遅くとも26年までに県内に公立夜間中学校の設置を求める要望書とともに県や市に提出する予定。
同団体に関する問い合わせは、和歌山信愛大学の江口怜助教にメール(eguchi@shinai-u.ac.jp)。