過去最大の感染増 新規632人、保健所逼迫

和歌山県が15日に発表した県内の新型コロナウイルス新規感染者は過去最多の632人で、累計感染者数が5万人を突破し、5万331人となった。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数も過去最多の392・2人(前日比22・7人増)に達し、25日連続の増加。県福祉保健部の野㞍孝子技監は、今後もさらに増加の可能性があるとし、「高齢者や基礎疾患がある人に感染が広がり、重症者が出ることを危惧している」と述べた。

新規感染者は前週の同じ金曜に比べて210人増。保健所管内別内訳は、和歌山市337人、海南38人、岩出59人、橋本35人、湯浅24人、御坊41人、田辺49人、新宮47人、県外2人で、田辺と新宮は過去最多を更新した。

新規クラスター(感染者集団)は5件を認定。場所と感染者数は、468例目が田辺管内の特別養護老人ホームで入所者2人と職員3人、469例目が岩出管内の官公庁で職員6人、470例目が橋本管内のこども園で園児8人、471例目が御坊管内の保育所で園児8人と職員1人、472例目は海南管内の小学校で児童8人と職員1人だった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、初めて全ての保健所管内で200人を超え、県全体の他、田辺の221・4人、新宮の386・0人も過去最多となった。

県内の感染者の累計は、4万人を超えた5月19日から2カ月弱で5万人に達し、急速な拡大が続く。入院者数は270人、重症者は県基準で12人、国基準の該当者はなく、肺炎患者は26人。病床数は8床増の529床となり、使用率は51・0%。自宅やホテルでの療養者は3047人。

野㞍技監は、急速な感染拡大によって保健所の業務が逼迫(ひっぱく)し、濃厚接触者でも無症状であれば、重症化リスクが高いなどの場合を除き、原則PCR検査を行わない措置を取っていると説明。基本的な感染予防対策の徹底と、同居家族が陽性となった場合は保健所の連絡を待たず、自主的に7日間の自宅待機をする対応を改めて呼び掛けた。