石巻のヒマワリ咲く 植えた狩野さん南野上へ

和歌山県海南市次ケ谷の南野上小学校の児童と地域住民が隣接する南野上公民館近くの休耕田に植えたヒマワリ約100本が、今夏もたくさんの花を咲かせた。

このヒマワリは、東日本大震災の津波で74人の児童が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の保護者8人が、児童が津波から逃れるために目指した場所に植えた花の種を引き継いで成長。2013年から同所で毎年花を咲かせている。

26日には、石巻市でヒマワリを植えた保護者の一人、狩野あけみさん(53)と次女の唯さん(25)が同公民館を訪問。南野上小学校の児童13人と地域住民が集まり、「絆のひまわりを思う会」が開かれた。

あけみさんは「東日本大震災で三女が行方不明になり『この花を目印に戻って来てほしい』という願いを込めて植えた」と涙ぐんだ。

地域で読み聞かせ活動をする神谷洋子さん(68)が、保護者らの思いを元にした絵本『ひまわりのおか』を朗読。中北聡太君(4年)は「地震だけでも怖いけど津波はもっと怖い」と真剣な面持ち。栗本修佑君(4年)は「地震や津波はいつ起こるか分からないけど、いつも防災の準備をしておきたい」と話した。西岡百花さん(6年)は「登校の時にヒマワリの前を通るたびに命の尊さを再認識している」と感謝の手紙を読み上げた。

あけみさんは「皆さんが一生懸命に世話をしてくれているおかげで、毎年花を咲かせている。私はまだ震災を思うと涙が出てしまうけど、ヒマワリでみんなが元気になってくれるとうれしい」と笑顔で話した。

大輪のヒマワリ(8月10日撮影)

大輪のヒマワリ(8月10日撮影)

 

唯さん㊧とあけみさん(左から2人目)に感謝の手紙を読み上げる児童

唯さん㊧とあけみさん(左から2人目)に感謝の手紙を読み上げる児童