蔵内に甘い香り 中野BCで新酒の初仕込み
和歌山県海南市藤白の酒造会社、中野BC(中野幸治社長)で18日、新米を使った新酒の初仕込みが始まった。ことしから限定酒は「紀伊国屋文左衛門」から「超久」に移行する。
タンク(容量1万㍑、直径2㍍・深さ2・5㍍)に収穫された五百万石の酒米や米麹(こうじ)、水などを入れ、3㍍の棒状道具「櫂(かい)」を使って混ぜる「初添え」が行われ、蔵内は麹の甘い香りに包まれた。
2018年から杜氏(とうじ)を務める武田博文さん(52)をはじめ、蔵人8人が作業に当たった。蒸し上がった酒米を運び出し、杜氏らはタンクに入れられた酒米が傷付かないよう、慎重にかき混ぜた。
武田さんは「ことしの新酒は米のうま味がよく分かる仕上がりになるだろう。後切れ良く、食に寄り添える食中酒を目指したい」と意気込んだ。
同商品は一升瓶換算で約3万本を仕込む。11月中旬には初搾りを行い、純米酒「超久」の新酒、生原酒として11月19日に約4000本を一般発売する。