医療逼迫の懸念、検査体制強化 コロナ拡大
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、年末年始にかけて医療の逼迫(ひっぱく)が懸念されるとして、和歌山県は、自主検査で陽性となった人を対象とするオンライン診療の導入や、休日の診療体制の強化などを行うことを決めた。13日に記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は「医療機関の受け入れは限界に近く、命を守れない状況になりかねない。感染しない、させない行動をとってほしい」と呼び掛けた。
24日からは、県に抗原検査キットの配布を申し込み、自主検査ができる対象者を拡充する。現在は基礎疾患のある人は対象外だが、同日以降は、基礎疾患があっても通院していない人は申し込みが可能になるなど要件が緩和される。
無症状の濃厚接触者は、年齢などを問わず申し込みを可能とし、同一世帯は5人まで一度に申し込めるようになる。
自主検査で陽性となり、陽性者登録センターに登録した人は、オンラインのビデオ通話による診療と解熱剤などの処方が受けられる。専用サイトからの予約制で、休日を含め一日約400人の対応が可能な体制を構築するとしている。
17日からは、土曜の午後、日曜・祝日の診療体制を強化する。県の要請により119の医療機関が休日の患者受け入れに協力するが、野㞍技監は、救急受診した患者が入院する事例が増加し、コロナ対応以外の一般診療の体制も厳しくなっていることから、「緊急を要さない限り、平日昼間の受診をお願いしたい」と話した。
昨年は感染の波が一時収束する中で年末を迎え、その後、帰省などで人の動きが活発になったことによる感染拡大が引き起こされた。
ことしの年末について野㞍技監は、感染が急速に拡大する中で迎えることから、「非常に危機感を持っている。第7波を超える感染拡大の可能性もある」と述べ、マスクの着用や手指の消毒、換気、ワクチン接種などの感染予防対策を徹底し、症状があれば早く受診することなどを改めて呼び掛けた。