210段自分のペースで 紀三井寺で速駈詣り
西国三十三所2番札所・紀三井寺(和歌山市)で9日、楼門から最上段までの石段を駆け上がって参拝し、一年の無事を祈願する「福開き速駈詣り(はやがけまいり)」があり、県内外から集まった8歳から84歳までの健脚自慢104人がタイムを競った。
急な傾斜で知られる寺の階段を生かして楽しく参拝してもらおうと、ランニングクラブの「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺が主催。2018年に始め、中止となった21年を除いて毎年成人の日に実施してきた。
舞台となったのは本堂に通じる結縁坂(けちえんざか)。全231段のうちの210段で、参加者は2人ずつスタート。ふんどし姿で参加する人や、親子や夫婦、きょうだいで一緒に走る人もおり、石段を飛ばしながら駆け上がったり、一段ずつ着実に踏みしめたりと、それぞれのペースで頂上を目指した。
参道からは「ここからが勝負」「まだまだいける」「自分のペースで」などと熱い声援が飛んだ。
達成者には、御朱印入りの早駈証を授与。最速の男女は「速駈王」「速駈姫」として表彰され、京都の消防士、石田諒太さん(33)が25秒31で「速駈王」2連覇を達成。女性は、大阪の柴田友香さん(31)が33秒69で速駈姫となった。
ことしで3回目の挑戦という参加者最高齢、和歌山市の野坂光博さん(84)は1分46秒55でゴールし「ことしも無事上り切れたことに感謝して、またこの一年、体力づくりをしていきたいですね」と笑顔。
同クラブの平川太一代表(49)は「新年恒例の催しとして定着しつつあるのを感じます。走ることの喜びや楽しさを多くの人に知ってもらい、何か新しいことを始めるきっかけになればうれしい」と話していた。