震災を忘れない 大規模地震想定し訓練

阪神・淡路大震災の発生から28年がたった17日、和歌山東署は和歌山市川辺の紀の川河川敷で、ドローンや警察犬、ヘリコプターを使った救助救出訓練を実施。同署や県警本部の警察官、県情報通信部ら約30人が参加し、「震災を忘れない」という思いを一(いつ)にして連携しながら訓練にあたり、練度を高めた。

訓練は、和歌山市で震度7の直下型の巨大地震が起き、各地で建物が倒壊しているという想定で行われた。

同署と災害時の連携協定を結んでいる㈲マシンプラン(同市北出島)と、小倉カントリー倶楽部(同市下三毛)の民間2社も協力。ドローン(無人航空機)を使って上空から被災状況を撮影し、現地指揮所に映像を伝送することで、がれきに埋もれた車両を発見した。

警察犬のヨハン号も出動し、車の中に取り残された人がいないかを捜索。「伏せ」の合図で要救助者がいることを伝えると、悪路の走破性能に優れた高性能救助車(ウニモグ)や、県警航空隊のヘリコプター「きのくに」などで警察官らが現場に駆け付けた。

警察官らはエンジンカッターやチェーンソーなどで鉄パイプや倒木を切断した後、特殊な器具を使って車のドアを開けて被災者を救出し、きのくにで搬送した。

訓練後の講評で同署の左向伸次署長は、28年前の震災時に機動隊員として兵庫署に向かった経験を振り返り、「訓練を通して見えた、いろんな改善点を生かして、南海トラフ地震に備えてほしい」と伝えた。

また、左向署長は当時と比べると資機材や装備などは改善され、特に被害状況を把握できるドローンなどによる情報伝達が進み、連携も取れているとした上で、「災害は忘れた頃に必ずやって来るので、県民の皆さんにも常日頃、備えをしてほしい」と呼び掛けた。

 

エンジンカッターなど資機材の習熟訓練も実施