広域防災拠点で覚書 県が和大、近大と
和歌山県と和歌山大学(和歌山市栄谷)、近畿大学生物理工学部(紀の川市西三谷)は1日、広域防災拠点に関する覚書を締結した。大規模災害発生時に国から派遣される広域応援部隊の受け入れ場所(ベースキャンプ)として、両大学の施設や土地を使用することが可能となり、人命救助や応急復旧作業などを支える体制が向上する。
広域応援部隊は、警察庁の警察災害派遣隊、消防庁の緊急消防援助隊、自衛隊の災害派遣部隊、国土交通省の緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE(テックフォース)」のこと。
大規模で広域的な災害においては、広域応援部隊を迅速かつ円滑に受け入れ、展開できる体制の整備が重要。県は、県内の北西、北東、南西、南東の4地域に広域防災拠点を設け、ベースキャンプやヘリポート、救援物資の集積・仕分けなどを行える施設を確保している。
和歌山大は第二阪和国道と、近畿大生物理工学部は京奈和自動車道に近接した立地にあり、今回の覚書により広域防災拠点の機能がさらに強化される。
締結式は県庁南別館で行われ、和歌山大の松谷治理事、近畿大生物理工学部の古薗勉学部長、県の福田充宏危機管理監が覚書に署名。和歌山大からは伊東千尋学長も出席した。
福田危機管理監は「(両大学は)基幹道路から近く、早期の応急復旧に役立つ」と両大学の協力に感謝。伊東学長は「災害時の和歌山県の復興に寄与できることに大きな意義を感じている」、古薗学部長は「地域に根差した防災活動をさらに発展させていきたい」と話していた。