過去2番目の173億円 岩出市の23年度予算案

岩出市は21日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比0・8%減の173億7600万円。過去最高額だった前年度に次ぐ予算規模となった。中芝正幸市長は会見で、「各種事業を推進するため『健全財政の堅持』を財政運営の軸とした」と述べ、国土強靭(きょうじん)化対策や下水道整備、福祉の充実などを重点事業とし、同市の将来像「活力あふれるまち ふれあいのまち」の実現を目指す。28日開会の定例市議会に提案する。

第3次長期総合計画(2021~30年度)の重点事業である「下水道整備」、「国土強靭化対策」、「学力向上」、「福祉の充実」、「観光振興」を重視。市が最重要課題として取り組む「国土強靭化対策」事業の予算は、前年度比76・5%減の4億9000万円。

新規事業は、防災行政無線の戸別受信機整備事業に2937万円など。継続事業として、市道金屋荊本線新設改良事業に補正予算による22年度前倒し分も含めて2億8735万円を計上した。

また、22年度からの継続事業として高齢者用スポーツ施設整備事業に1億6728万円を盛り込んでいる。

22年度から着手している送水管整備事業は、事業費3億3180万円を計上。23年度に本格工事を進め、24年度以降の事業費は19億3140万円を予定。完成は27年度としている。

24年~26年度の実現に向けて負担が予想される、ごみ処理施設「岩出クリーンセンター」の大規模改修の事業費は約60億円と試算している。建て替えの場合は、約40憶円という試算結果から、現段階では国、県、事業者等と調整している。

一般会計に特別会計と公営企業会計を合わせた予算総額は前年度比1・7%増の337億6910万3000円で市全体としては過去最高の予算となった。

一般会計歳入
自主財源は前年度比1・1%減の69億9200万円で全体の40・2%。市税は調定実績及び過去の増加率に基づく算出による増加で、前年度比2・0%増の62億2100万円。繰入金は財政調整基金・特定目的基金繰入金の減少で88・5%減の3100万円。

依存財源は、東公園整備事業の完了により国・県支出金などが減少し、0・7%減の103億8400万円。借金にあたる市債額は臨時財政対策債1億2400万円と緊急防災・減災事業債500万円の発行を予定しており、55・1%減の1億2900万円。

一般会計歳出
義務的経費は前年度比1・0%減の89億1200万円。内訳は人件費で2・2%減の25億6500万円、扶助費が障害者総合支援給付費の増加で1・6%増の53億100万円。投資的経費は、東公園整備事業完了などにより17・1%減の12億300万円。介護保険、後期高齢者医療特別会計繰出金の増加で繰出金が2・5%増の21億300万円に増額計上している。