国際人材の活用など 和大とジェトロ包括連携

和歌山大学(和歌山市栄谷)と日本貿易振興機構(ジェトロ)は21日、主に国際人材の活用と国際的な学術研究、産学連携を目指す包括連携協定を締結した。両機関は今後、同大発のスタートアップ企業に対する海外エコシステムとの接続支援などについて協議を進めていくという。

両機関はこれまでも、外国人留学生らに県企業の魅力を伝えるイベントや、国際的な学術研究、事業活動報告会を開くなど、協力関係にあった。

昨年6月には、ジェトロの信谷和重副理事長が同大の伊東千尋学長を訪問。これまでの協力体制を維持、発展させていくことで、双方の事業をより効果的かつ効率的に実施できることなどを相互に確認し、今回の協定締結に至ったという。

55カ国、計76事務所を展開するジェトロは、国内外の大学と同協定を締結しており、同大は国内23大学目。近畿では関西学院大学、大阪大学、京都大学に続く4大学目となった。

同日、和歌山大学で協定書締結式が行われ、信谷副理事長と伊東学長が協定書にサイン。信谷副理事長が「大学と一緒になって日本や和歌山の経済の中に外国人留学生が活躍できる場を見つけたい。人材不足の日本を引っ張る力になっていけば」とあいさつした。

伊東学長は、同大が日本社会で活躍できる留学生の確保を目指して昨年4月に創設した「日本学教育研究センター」についてもふれ、「迎えた留学生を日本社会に出していく出口をしっかりと確保するためにも、この協定によって留学生が日本社会や和歌山の産業界に就職する機会を今までよりも多く、強く持つことができる。留学生だけでなく、日本人の学生も海外の日系企業でインターンシップの機会が得られれば、教育にとって大きなメリットになる」と期待を込めた。

協定書を手に信谷副理事長㊧と伊東学長

協定書を手に信谷副理事長㊧と伊東学長