戦争終わって ウクライナ国旗色花壇に願い

ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてから、24日で1年がたった。和歌山ろうさい病院(和歌山市木ノ本)の敷地内にある、ウクライナ国旗色をイメージした「平和祈念花壇」では同日、雨が降る中、南條輝志男病院長が紀北農芸高校(かつらぎ町)施設園芸科の3人の生徒らと、雑草を抜いたり肥料を与えたりしながら改めて平和を願った。

同花壇は昨年7月、南條病院長の発案でウクライナへの応援と平和への願いを込めて完成したが、きれいに咲いた花を維持するのは難しく、花の栽培に詳しい同科に協力を依頼。同科花チームの3年生7人が教諭や実習助手と黄色のビオラと紫色のパンジーを栽培し、11月に同花壇に移し替えた。

この日、花壇を訪れた3年生の岸岡小想(こころ)さん(18)はきれいに咲き並ぶ花を前に「株が成長していてうれしい」とにっこり。来年度から花壇作りを引き継ぐ後輩らに向け、「平和を願い続けて枯らすことなく育てていってくれれば」と話した。

1年生の南畑真斗(まなと)さん(16)は「先輩たちが頑張って育ててきた花を枯らさないように、しっかりと受け継いでいきたい」と意気込み、「(ウクライナ侵攻が)こんなに長く続くと思っていなかった。早く平和になってほしい」と願った。

南條病院長は「平和祈念花壇は世界中がウクライナの平和を祈念していることの象徴の一つ」とし、「花には不思議な力がある。通る時に見た人がいろんなことを考えるきっかけになれば」と話した。

命を守る医療従事者の一人として「いとも簡単に多くの人の命を奪う戦争に心が痛む」とし、「花というのは踏んづけたらすぐに死んでしまう。人間も同じ。弱い者を大事に育てることが大切。早く戦争が終わってほしい」と願いを込めた。

現在、同花壇に植えられているビオラとパンジーはゴールデンウィークごろまで楽しめるといい、5~6月には同校で育てた黄色のマリーゴールドと水色のネモフィラに植え替えられる予定。

丁寧に肥料をまいていく生徒たち

丁寧に肥料をまいていく生徒たち