55年間職務を全う 和市消防団長の白樫さん
定年を迎え、3月31日で55年間の消防団活動にピリオドを打ち、退任した和歌山市消防団の白樫秀樹団長(75)の退任発令式が同日、市役所で行われ、尾花正啓市長が辞令を交付した。
白樫団長は1968年に砂山分団に入団し、今福分団ができた79年には初代副分団長に就任。2014年からは市の消防副団長、16年には第七代消防団長に任命され、7年間団長を務めた。
式で尾花市長は「55年もの長い間、市民の命や財産を守るため、昼夜を問わず活動していただいた」と感謝。「これからも団長経験を生かしてわれわれをバックアップしてください。本当に長い間ありがとうございました」とねぎらった。
白樫団長が入団したのは、家業を手伝っていた20歳の時。近所の人に「お前いくつになったんや」と聞かれ、「20歳」と答えるとすぐさま入団が決まった。「有無を言わさず入団が決まったけど、みんなにかわいがっていただいた」と懐かしそうに振り返る。
風水害や火災、六十谷水管橋の崩落など、さまざまなことがあった長い団員生活については「大変だったけど、(20歳の頃に戻ったとしても)もう1回やってもいいかな」とほほ笑んだ。
市消防局によると3月1日現在、市内42地区の団員数は、音楽隊員を含めて1563人。平均年齢は51・46歳と高齢化しているという。白樫団長も「若い人に入ってきてもらいたい」と話し、「『自分たちの地区は自分たちで守る』ということを心に留めて活動してもらいたい」と期待している。
白樫団長の後任、第八代消防団長には青木秀行副団長が就任した。