勇壮な神輿渡御 加太「えび祭り」5年ぶり

大漁や無病息災を願う、和歌山市の加太春日神社(井関摩美子宮司)の例大祭・渡御祭「えび祭り」が20日、5年ぶりに加太地区で行われ、地域住民らを中心に約300人が参加。久しぶりの伝統行事に、地元は朝から大勢の観衆でにぎわい、歓喜に沸いた。

同祭りは1597年、神社に獅子舞が奉納されたことが始まりとされ、現行の神輿(みこし)渡御は1923年、初代宮司によって斎行された。

この日、本殿で出御祭祭典が行われ、加太小学校6年生の児童2人が巫女舞を披露。神輿出しをした後、5年前の同祭りで神輿を担いだ岸本周平知事も応援に駆け付け、「加太のパワーを爆発させてください」と担ぎ手らにエールを送った。

行列は、同校6年生の児童による宝太鼓から始まり、天狗・金棒、向丁の獅子舞、薙刀(なぎなた)を回す薙刀振りなどが行われ、最後に神輿が出発。

ことしで100年の節目を迎える神輿渡御では、約100人の男衆が約1㌧もの神輿を担ぎ、前後に揺さぶりながら勇壮に加太のまちを練り歩いた。

同地区出身で和歌山市の中川希美さん(40)は子どもの時から祭りに参加してきたといい、「神輿はやっぱり迫力があって楽しかった」と笑顔。「獅子舞や子どもの数が減っていてちょっと寂しい」とも言い、「次は見物側じゃなく、祭りの日に合わせて地元のみんなが戻ってきて、またみんなで一緒に祭りに出たい」と話していた。

神輿を担ぎ練り歩く男衆

神輿を担ぎ練り歩く男衆