知事も梅染めネクタイでPR 収穫期迎え

和歌山県が生産量日本一を誇る梅が収穫シーズンに入り、6月6日の「梅の日」を迎えるのに合わせ、県は県外市場へのPR活動、県内小学校への梅の実の提供など、ことしも販売促進や地産地消の取り組みを進める。

30日の定例記者会見で取り組みを紹介した岸本周平知事は、クールビズの期間中ながらネクタイを締めて出席。このネクタイは梅で染められており、タウンミーティングの際にみなべ町の梅農家から贈られたもので、「とてもきれいな梅の色です。梅の日に向けて披露させていただいた」と話した。

県内の学校に対しては、食育や地産地消の一環で2012年度から、県の主要な農産物を教材や給食として提供。ことしの梅の提供は、6月9~20日にかけて県内の国公私立小学校と特別支援学校237校を対象に、350箱分を用意し、各校で梅ジュース作り体験を行う。

農家や県職員が学校を訪れ、梅の生産状況などについて説明する出前授業も予定している。

5日には、一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会(島田由香代表理事)が主催し、みなべ町で梅収穫体験などを行う「梅ワーケーション」に、岸本知事が参加する。

6日は、紀南の市町や農業関係団体で構成する「紀州梅の会」主催の「今日は梅の日、和歌山の梅フェア」が東京都中央卸売市場大田市場内で開かれ、梅加工品の紹介、青梅の展示、梅娘による梅干しの無料配布などにより、紀州の梅をPRする。

「梅の日」は、天文14年(1545)4月17日(現在の暦で6月6日)、京都・賀茂神社の例祭(現在の葵祭)で、時の後奈良天皇が祭神を祭り、神事が行われた際、梅が献上されたという故事に由来する。

害虫被害を調査 封じ込め対策へ

また、幼虫が梅や桃、桜などを食い荒らす特定外来生物のクビアカツヤカミキリによる被害が御坊市で見つかったことを受け、県は被害状況調査の範囲を半径3㌔に広げ、確認を続けている。

半径2㌔圏内の調査(29日時点)による被害は梅3本、桜5本で、県中南部の梅農園では初めて被害が確認された。

岸本知事は「徹底的に調査をした上で、成虫になって繁殖する前に、できるだけ封じ込めたい」と対策を急ぐ考えを示した。

梅で染めたネクタイを示しながら話す岸本知事

梅で染めたネクタイを示しながら話す岸本知事