癒やしの音色 11日フォルクローレ演奏会
ペルーやチリ、ボリビアなどアンデス地方の伝統音楽、フォルクローレを演奏する集団「MAYAHUACA(マヤウァカ)」。28年前に結成され、和歌山市や岩出市、海南市のメンバー5人で活動。コロナ禍で演奏活動を3年あまり中止していたが、11日、海南市日方の市海南保健福祉センターでコンサートを開く。久々に人前で演奏するメンバーは、豊かで優しい音色を届けようと、当日に向けて熱心に練習に励んでいる。
グループ名はインカ帝国アンデス地方の言葉で、「マヤ(一つの)ウァカ(魂)」に由来する。素朴なメロディーに「心が癒やされる」と、同グループの演奏を心待ちにするファンも多い。
民族楽器を収集する柳泰弘さん(68)が発起人となり、1995年に結成。柳さんは海南市や紀美野町などの小中学校で美術の教員、校長などを務めてきた。10年以上、中学校で吹奏学部の顧問を担当したことをきっかけに音楽好きとなり、民族楽器を収集、演奏することが趣味になった。
結成のきっかけは、岩出市の中野一三さん(69)が、柳さんが持つ民族楽器に興味を持ったこと。2人で和歌山城の公園で演奏すると、徐々に仲間は増えていった。
マンドリンを担当する和歌山市の松岡一郎さん(63)は「フォルクローレは幅広い多様な音楽。土地の風土、民族、人種など背景を調べるととても面白い」と話す。
南米ペルーを発祥とする縦笛ケーナとボーカルを担当する和歌山市のシェルハン由美子さん(61)は、人生に疲れている時にフォルクローレを聴き、心が浄化され、涙を流したという。「自分もやってみたい」とケーナを習い、メンバーに加わった。モロッコ人の夫ラシード・シェルハンさん(35)も参加するようになり、筒形の大太鼓ボンボを担当している。2人は「唯一の夫婦共通の趣味なので一緒に楽しめてハッピー」と笑顔。
今回のコンサートではフォルクローレの代表的な曲で、サイモン&ガーファンクルがカバーした「コンドルは飛んでいく」など16曲を披露。笛のケーナ、サンポーニャ、弦楽器のチャランゴなどの楽器でにぎやかな曲や、しっとりしたセンチメンタルな曲など、アンデス地方のさまざまなリズムの曲を演奏する。
柳さんは「アンデスの風景を想像しながらホッとするひとときを過ごしてください」と話している。
午後1時半開演。入場無料。申し込み不要。