和歌山市響が定期演奏会 25日城ホール

和歌山市交響楽団(市響)は25日午後1時半から、第56回定期演奏会を七番丁の和歌山城ホール大ホールで開く。プログラムは、同市出身のピアニスト、宮井愛子さんを独奏に迎えるグリーグのピアノ協奏曲、ラフマニノフの交響曲第2番の2曲。いずれも、クラシック音楽ファン以外の耳にもなじみのある有名なメロディーが登場する作品で、市響は来場を呼びかけている。

市響は1974年1月に発足した県内最大の市民オーケストラ。現在は10~80代の約80人の楽団員を擁し、定期演奏会をはじめ、市民オペラ、バレエへの参加、市内中学校の合唱団との共演など、市の音楽文化向上に貢献している。

宮井さんは京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻を卒業。FUGA国際音楽コンクール金賞、2021年度市文化奨励賞などに輝く。市響との協奏曲の共演は3回目となる。

ノルウェーの作曲家グリーグは、自然をこよなく愛し、卓越したピアノのテクニックと美しい旋律から「北欧のショパン」とも呼ばれる。ピアノ協奏曲は、フィヨルドに注ぐ滝の流れを表現したともいわれる冒頭の劇的なソロが非常に有名で、宮井さんは「スケールが大きく、人々の生活と密接に関わるノルウェーの大自然を肌で感じながら、全力で表現したい」と話す。

ラフマニノフの交響曲第2番は、演奏に約1時間を要する大曲。第3楽章のメロディーはとりわけ美しく、包み込まれるような甘さ、切なさも感じさせ、映画やドラマ、CMなどにもよく使われる。

市響の創団時からの一員で、音楽監督、常任指揮者を務める江田司さんによると、同曲は「ドレミ」のように隣り合った音による進行の組み合わせが多彩で、同じテーマが何度も曲の中で戻ってくる。最後の第4楽章は「吹き上がる生命への賛歌のよう」であり、「その時々のサウンドに浸ってみてください」と聴きどころを話している。

入場料1500円(学生500円)、未就学児は無料。チケットの取り扱いは同ホール。問い合わせは小川さん(℡090・3281・6457)。

公演のポスターを手に宮井さん㊧、江田さん

公演のポスターを手に宮井さん㊧、江田さん