知事タウンミーティング 紀の川市で
岸本周平和歌山県知事が直接県民の声を聞き、共に県政をつくることを目的とする「タウンミーティング」が7日、紀の川市の粉河ふるさとセンターで開かれ、地元の農業者や企業、NPOの代表ら9人と今城崇光副市長が参加して意見交換した。
農業者からは、気候変動の影響で市特産の桃の収穫時期が以前より2週間程度も早まっているとの報告や、人口減少が続く中、農地を宅地に開発する動きが続くことに矛盾を感じ、農業や観光にもっと力を注ぐべきではないかとする意見が出た他、農繁期の人手不足について、収穫だけでなく事務作業の人員も必要であるため、県や市のOBの力を借りたいとの要望もあった。
Uターン移住者の一人は、子育てなどのサービスについて、東京ではあくまでお金を払ってサービスを受ける立場であるのに対し、田舎には「心の通った人のつながり」があり、地域全体で子どもを育てる空気があると指摘。Iターン移住者は、運転免許を返納するなどした高齢者らが個人で外出を楽しめるよう、タクシーの補助などが行われたら、田舎暮らしの楽しさにつながると提案した。
空き家対策に取り組む企業の参加者からは、空き家の用途にこだわりがちな行政に対し、その場を中心に人と人がつながる関係を固めることが重要とし、「人間関係がなければ、また空き家に戻ってしまう」と話した。
また、運送事業者の代表からは、災害時の物資集積拠点にトラックやリフトが乗り入れて作業ができるようにすることが重要との指摘、サイクリングで地域おこしに取り組むNPOの代表からは、京奈和自転車道と太平洋道自転車道をつなぐことや、拠点となるサイクリングセンターを紀の川市につくることなどの提案があった。
岸本知事は出席者一人ひとりの話に熱心に聴き入り、特にUIターン移住者の「和歌山LOVE」がすごいとし、寄せられた意見や提案を県として研究し、県政に生かしていく考えを伝えた。