音を感じる写真並ぶ 大瀬克幸さんが個展
和歌山県紀美野町の大瀬克幸さん(75)の写真展「大瀬克幸写真館 音の想像」が紀の川市桃山町の「ランチ&カフェ ムロ」で31日まで開かれている。
大瀬さんは福岡県出身高校卒業後、1967年に東京でマンガ家の石ノ森章太郎のチーフアシスタントを務め、漫画家の永井豪さんと机を並べ、原稿800㌻を超える人気絶頂期を経験した。
その後和歌山へ移住。現在は会社員として勤務するかたわら、「色撮鳥写真クラブ」や「海友館写真クラブ」などに所属し、趣味で風景や街角スナップなどを主に撮影。これまでに世界NUDEフォトコンテスト岡本太郎賞や県知事賞、毎日新聞社広告賞などを受けている。
今展では、同じ光景でも人により違って聞こえる「音」をテーマに、県内外で撮影した写真15点が並ぶ。見る人が想像して楽しめるよう、あえて説明書きに擬音は記載していない。
展望台への道半ばで大瀬さんが力尽き座り込んだという、三重県の大台ケ原で撮影した一枚も並ぶ。砂利道で座り込む大瀬さんの後方から「ザッザッザッ」と、砂利を踏む軽快な足音が近づいてきたかと思うと、足早に子どもらが大瀬さんを追い越していったという。「ザクザク」「ギシギシ」など、砂利を踏みしめる足音が聞こえてきそうな光景。
他にも、有田川町の川の上流を目指して飛びはねる魚など、音を感じる作品を展示。大瀬さんは「音を見に来ませんか。音を感じながら楽しんでください」と話している。
午前10時から午後5時まで。火・水曜休み。
問い合わせは同店(℡0736・66・9535)。