殺人未遂容疑等で追送検 雑賀崎の首相襲撃

和歌山市の雑賀崎漁港で遊説中の岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、県警は8月31日、兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)を殺人未遂などの容疑で和歌山地方検察庁に追送致した。手製の爆発物には殺傷能力があり、会場の岸田首相らを殺害する目的があったと判断した。

県警によると、木村容疑者は4月15日、衆院和歌山1区補選の自民党候補の応援のために同漁港を訪れた岸田首相(同党総裁)らを殺害する目的で、黒色火薬を詰めた手製のパイプ爆弾を投げて爆発させ、会場にいた聴衆の男性(当時70)と男性警察官(同33)の2人にけがを負わせた他、街頭演説会を実施できなくして選挙の自由を妨害した公職選挙法違反などの疑いが持たれている。

犯行に使用されたパイプ爆弾1個と爆発しなかった1個は、木村容疑者が2022年11月ごろからことし4月15日ごろの間、自宅などで製造し、事件現場では爆弾の他、小瓶に入った黒色火薬、刃渡り14㌢のペティナイフを所持していたとみられ、爆発物取締罰則違反、火薬類取締法違反、銃刀法違反など計5件の容疑での追送致となった。

木村容疑者は事件当日に威力業務妨害容疑で現行犯逮捕され、5月には火薬類取締法違反容疑で再逮捕。刑事責任能力について判断するため、5月下旬から9月1日までの予定で鑑定留置が行われている。

県警は今回の追送致で大筋の捜査を終えたとしている。