食材の命に感謝 長保寺で万物供養祭
あらゆる食材に感謝する「第13回万物供養祭(魚介鳥獣草木供養)」が13日、和歌山県海南市下津町上の国宝・長保寺(瑞樹正哲住職)で行われ、海南海草調理師会や飲食業などの約30人が祈りをささげた。
万物供養祭実行委員会(一木謙三委員長)と同調理師会(中岡勲会長)が主催。
県調理師会の食育推進事業の一環として、命を頂く大切さを知り、人間の「知育・体育・徳育」を育み、自然の恵みに感謝の気持ちを込めて実施している。
国宝の本堂は6月の豪雨被害により立ち入ることができないため、普段は入ることができない御霊殿で法要が執り行われた。瑞樹住職が経を唱え、参列者が順番に焼香した。
中岡会長は「食を扱う者として自然の恵みに感謝し食育推進に努めてまいりたい」と述べた。同市下津でミカン農家をしている60代の男性は、農作物を荒らす害獣を駆除しているといい、「農地を守るため命を頂く。お互い生きるためだが、心が痛む。供養する気持ちで祈った」と話した。
焼香後は、寺に隣接する池に金魚を放流し、参列者や協賛者の名前を書いたお札をまいて自然や生き物に感謝した。