ワコンが和歌山市に新工場 立地協定を締結
物流機器の製造販売などを手掛けるワコン㈱(和歌山県紀の川市中井阪、西田耕平代表取締役)が、和歌山市松島に工場を増設することが決まり、同市役所で7日、立地協定の調印式が行われた。
同社は梱包資材の製造販売や輸出梱包サービス事業などを展開し、紀の川市の本社工場の他、和歌山市と海南市に工場を持ち、関西国際空港と成田国際空港にロジスティクスセンターを置いている。
折り畳み式のクールボックスや薄型の輸送用保冷剤などを独自に開発し、これらを使用することで一般の常温車両でも長時間の冷凍、冷蔵輸送が可能になり、複数温度帯の貨物を同時に運搬でき、輸送車両の積載率向上、ドライバー不足が予想される物流業界の「2024年問題」などの課題解決につながると注目されている。
今回の工場増設により、クールボックスなどの保冷輸送機器、輸送用保冷剤の製造能力を拡大し、効率化する。新工場は敷地面積1898平方㍍、延べ床面積3404平方㍍。2億1800万円を投資し、3年間で正社員13人、非正社員3人の新規地元雇用を行う予定。2024年10月の操業開始を目指している。
調印式では、西田代表取締役と尾花正啓市長が協定書に署名。岸本周平知事は事前に署名済みで、式には県から三龍正人商工観光労働部長が出席した。
尾花市長は「物流を大きく変えてきた企業が和歌山市に工場を増設するのは大変うれしい」と期待を寄せ、西田代表取締役は、大手外食チェーンからもクールボックスの引き合いがあることなどを紹介し、「和歌山の地域経済と雇用のために頑張っていきたい」と話した。