最後の文化祭大盛況 来春閉校の海南下津高

来年3月に閉校となる和歌山県の海南市立海南下津高校(同市下津町・柳和希校長)で3日、最後の文化祭が開かれ、400人以上が来場しにぎわった。一般の人の来場は4年ぶり。開場前から入場するための行列ができ、集まった卒業生や保護者、地域住民らは展示や模擬店、キッチンカーなどを楽しんだ。

食物科の生徒は「海南下津弁当」を、家政科は「ジビエ汁」を販売。前日から仕込みをし、同日午前8時から調理するなど準備に追われた。

弁当100個は、販売開始直後に売り切れ、ジビエ汁にも買い求める人の列ができた。3年の藤井葵さん(17)は「思っていたよりたくさんの人が来た。昨日から仕込みが大変だったが、むちゃくちゃにぎわっていて楽しい。この雰囲気を毎年味わいたかった」と話した。

展示スペースには、これまでの卒業生らの写真を張り出したメモリアルコーナーが設置され、卒業生や教諭らは修学旅行や文化祭などでの自分の姿を見つけ、懐かしい思い出話に花を咲かせていた。

5年前まで同校で英語を教えていた面谷健郎さん(58)は「生徒が僕の写っている写真を見つけてくれた。忙しかったことや面白かったことなどがよみがえってきた」と笑顔だった。

卒業生の佐伯結さん(24)は「先生に会いに来た。文化祭はダンスやおばけ屋敷をしたりと、クラスが一つになった思い出がある。閉校になったら来られなくなるのが寂しい」と話した。

他にも閉校記念に、吉本興業のギャロップやスマイルなどの芸人による、お笑いライブも開かれ盛り上がった。

 

自分が写った写真を見つける人も