想像力をかきたてる写真 松原さんら4人展

写真愛好家4人による「四人展」が18日から28日(※22~24日を除く)まで、和歌山市吹上の小松原アートスペースで開かれる。出品者は、同市の写真家・松原時夫さん(83)と、松原さんにアドバイスを受ける辻雅司さん(74)、冨永敬子さん、同ギャラリーのオーナーでもある池田修平さん(70)。見る人の想像力をかき立てるようなモノクロ・カラー作品約20点が並ぶ。

生まれ育った和歌浦を記録し続ける松原さんは、毎日のように片男波海岸へ出かけ、波や風などが砂浜につくる造形をフィルムで撮影してきた。今回は「水たまりシリーズ」として、雨が残した模様5点を並べる。色の濃淡で顔や人体の一部のようにも見え、中には大きく両手を広げ、跳躍するかのようなシルエットの一枚もある。

松原さんは「雨上がりは喜んで出かけます」とにっこり。「どう見るかは自由。今回も、皆さんがどんな感覚で捉えてくれるのか楽しみです」と話す。

同じく和歌浦に住む辻さんは、8年ほど前から市展や県展に出品するようになったといい、不老橋周辺で写した水面の作品を展示。変化に富んだ幻想的な写真が並び「光の具合や潮の満ち引きによって、表情もさまざま。シャッターを切った次の瞬間に消えてしまうものもあり、それもまた楽しいですね」と話す。

冨永さんは、写真を始めて15年ほど。白煙に包まれた野焼きの風景、つるし柿など生活の営みが感じられる、かつらぎ町の秋を撮影し「レトロがテーマ。古いもの、味わいのあるものに心引かれます」と笑顔で話す。

ワカヤマフォトクラブ(WPC)に所属する池田さんは、海南市黒江で撮影。風情あるまちを歩く人や、漆芸家の手仕事などを写し「4人それぞれの個性を感じ取ってもらえれば」と話している。

午後1時から6時(最終日は5時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡090・4560・9028)。

それぞれの表現が並ぶ会場で(左から)松原さん、池田さん、辻さん

それぞれの表現が並ぶ会場で(左から)松原さん、池田さん、辻さん