県内初の夜間中学設置 25年度の開校へ
和歌山市は、県内初となる公立夜間中学校を設置し、2025年度の開校を目指すことを決めた。8日の市議会本会議で、西風章世議員(公明党議員団)の一般質問に尾花正啓市長が表明した。
夜間中学は、戦中戦後の混乱や不登校など、さまざまな理由で義務教育を十分に受けられなかった人に学びの機会を提供する。本国で義務教育を修了していない外国人の学びの場にもなっている。文部科学省は、各都道府県と政令指定都市に少なくとも1校を設置するよう促しており、ことし10月現在の設置数は、17都道府県に44校。
市議会では、西風議員が「夜間中学の早期設置に取り組むべき」と尾花市長の見解を質問した。
尾花市長は、20年の国勢調査で、市内の未就学者が221人、小学校卒業までの人が2606人、22年度の中学校不登校者が443人で増加傾向にあるとし、「中学校で十分に学ぶことができずに卒業してしまった方や、義務教育の学び直しを必要とする方が、市にも多数いると考えられる」との認識を示した上で、「多様な学びを必要とする方々への学びの実現に向け、市立の夜間中学校を25年度には開校できるよう、準備を進めたい」と答弁した。