高校生がTGC盛り上げ ケータリングで提供
国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)和歌山」の開催が、いよいよ2月3日に迫った。会場は和歌山市手平の和歌山ビッグホエール。出演者らに提供されるバックヤードでのケータリングに、海南市下津町の海南下津高校(柳和希校長)の生徒が考案・調理する、県産食材を使ったスイーツ「海南下津LJKケーキ」が並ぶことになった。生徒たちは「この機会に食を通じて和歌山らしさをPRしたい」と準備を進めている。
地元の高校生と共にTGCを盛り上げようと企画され、㈱信濃路(西平都紀子会長)監修のもと、食物科と家政科生徒17人が共同で取り組んでいる。
同校は、県内公立高校唯一の女子校で卒業と同時に調理師免許が取得できる。食品営業許可証があり、調理して提供できるのは県内でも同校のみ。
生徒たちは、昨年11月に活動をスタート。どんな食材を使うかなど、アイデアを出し合い意見交換。「和歌山の食材を使う」「一口サイズ」、「見た目のかわいらしさ」にポイントを置き、これまでの授業や実習を生かして調理できるメニューに決めた。
出来上がったケーキは、県が発祥地といわれるかんきつフルーツ「三宝柑」をふんだんに使った「三宝柑マーマレード」や、県産ミカンの花の蜂蜜を使った「みかんはちみつスポンジ」を採用。イチゴの「まりひめ」に、紀州備長炭と高野豆腐を練り込んだパンダ形のクッキーを添えている。
果皮は柔らかく香りも豊かな三宝柑は、湯浅町の善兵衛農園から提供されたもの。皮も実も丸ごと使用してマーマレードにした。
スポンジは、焼き上げてから盛り付けるまでの時間を測り、他の食材との相性がベストな状態になるよう試作を重ねた。上品な甘さでふわふわ食感が楽しめ、三宝柑のほのかな苦味が味のアクセントになり、さっぱりとした味わいになっている。
商品名は、女子高生の間で流行している、お菓子ケーキ「JKケーキ」の名称を参考に、最終学年である3年生の「LAST(ラスト)」と、本年度で閉校する「ラスト」を意味する頭文字から、「L」を加え、「LJKケーキ」と名付けた。
パッケージには、生徒がデザインしたステッカーを貼付。「TGC」のロゴをアップリケで付けた、販売時に着用するエプロンも手作りした。
柳校長は「生徒らが知恵や工夫を出し合い、自発的に楽しく取り組んできた。職員も一丸となり出来上がった。いい機会を頂き感謝。当日も頑張ってほしい」とエールを送った。
当日は100個を調理する。南葵さんは「生地を3回以上焼き、カステラにするかスポンジにするか、崩れないように盛り付けをどうするかなど苦労した。みんなと一緒に完成させることができてうれしい。(会場での)提供も頑張る」と意気込んでいる。