インド大使が来県 「和歌山DAY」など提案
インドのシビ・ジョージ駐日大使、ニキレーシュ・ギリ在大阪・神戸総領事一行が26日、来県し、岸本周平和歌山県知事や濱口太史県議会議長、和歌山商工会議所の役員らと意見交換した。ジョージ大使は、インドと和歌山の経済交流の発展に向け、県内でのインドビジネスセミナーの実施、インド大使館での「和歌山DAY」開催などを提案し、協力していくことで合意した。
県と同国マハラシュトラ州は2013年10月、観光・食品加工分野の相互交流の覚書を締結し、昨年2月には岸本知事が同州を訪問し、2回目の更新に調印した。10年以上の取り組みを経て交流分野は拡大。経済にとどまらず、高野山大学(高野町)にインド憲法の起草者で初代法相のビームラーオ・アンベードカル博士を顕彰する像が建立され、同州の大学と高野山大が交流協定を結んだ他、県レスリング協会と州スポーツ青少年活動総局が覚書を交わすなど、学術、文化、スポーツなどの交流も重ねている。
ジョージ大使は和歌山商工会議所を訪問し、竹田純久会頭をはじめ、インドに進出している企業、インドの人材を雇用している企業の代表らと懇談。経済成長が著しいインドには現在、約1500社の日本企業が進出しており、これを10倍の1万5000社に増やしたいとの目標を披露し、「和歌山の中小企業にも、インドとの関係を強くしてほしいと望んでいる」と話した。
出席者も、インド市場やインドからの優秀な人材の獲得などに期待を寄せ、竹田会頭は「未来に向けて一緒に仕事をしていけるチャンスがある」と応じた。
続いて県庁を訪れたジョージ大使は、岸本知事、濱口議長、県議会日印交流促進に関する議員の会の新島雄会長らと相次いで意見交換。県内企業のインド進出を促進するため、インドビジネスセミナーと「和歌山DAY」の開催を提案し、協力を呼びかけた。
岸本知事との会談では外国人労働者に関する話題もあり、岸本知事が「高度な人材を、人格を尊んだ労働者、仲間として招き入れるために頑張りたい。インドのIT技術者にはぜひ和歌山に来ていただきたい」と話すと、ジョージ大使は、IT分野のインドの高等教育機関を和歌山に紹介することもできるとし、岸本知事は提案を歓迎した。
ジョージ大使一行はその後、高野町へ移動し、高野山大学や金剛峯寺を訪問するなどした。