カイロス発射延期 PV会場「残念」

和歌山県串本町の発射場「スペースポート紀伊」で9日、予定していた小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げが延期となり、パブリックビューイング(PV)会場で発射を見守った人たちからは、残念がる声が上がった。

ライブ配信映像を流すサテライト会場は、阪和自動車道の紀ノ川サービスエリア(和歌山市)、吉備湯浅パーキングエリア(有田川町)、印南サービスエリア(印南町)、県立博物館(和歌山市)、イオンモール和歌山(同)、海南ノビノス(海南市)などに設置。各所で多くの人がカウントダウンをしながら、その瞬間を固唾(かたず)をのんで見守った。

和歌山市中のイオンモール和歌山屋外ステージ会場では、スペースポート紀伊の様子が生中継され、子どもからお年寄りまで約500人が期待を胸に見守った。

打ち上げ予定のロケットがついに映し出されると、参加者は歓声を上げ、スマートフォンでロケットの写真を撮影する人もいた。

予定時刻が近づくと、参加者は「カイロス頑張れ」などと声援を送り、打ち上げの10秒前からは全員でカウントダウン。手を合わせて打ち上げの成功を願う人も多くいたが、ロケットは上がらなかった。

予定時刻が11時17分12秒に変更されたことを受けて2度目のカウントダウンが行われるも、打ち上げは延期となり、会場はため息に包まれた。

家族4人で訪れた和歌山市栄谷の守屋佑美さん(46)は、「和歌山から飛ぶのはうれしく期待していたが残念。これから何回もチャンスはあると思うので、いつか現地に見に行きたい」と話し、「日本の人はもちろん世界の人も集まって、みんなでカウントダウンなどをできるような場所になってほしい」と期待した。

紀の川市立竜門小学校3年生の古田瑛人(ひでと)さん(9)は、「楽しみで、飛んでほしい思いで見守っていた。次は1回目で上がってほしい」と願った。

打ち上げの瞬間を待つ参加者(イオンモール和歌山)

打ち上げの瞬間を待つ参加者(イオンモール和歌山)